冬の幻想・神秘・怪奇
新年明けてまだしばらくは寒い冬が続きます。
日本では怪談の季節は夏ですけれど、
ヨーロッパの怪談の季節は冬ですね。
寒い冬の夜に暖炉の前に集まって
怪談話を聴く。
だから、19世紀半ば~20世紀初頭の、
英国正調幽霊小説が隆盛の時代、
各大衆文学雑誌は競って
「クリスマス増刊号」を編集し、
「冬の炉炉端に最もふさわしい読み物」である
幽霊譚を掲載して好評を得ていたのです。
ということで、
印象深い「冬」の情景を描いた
幻想・神秘・怪奇なストーリィを見つけたら
こっそり紹介していただきたいと思います。
冬の暖房のぬくもりにまどろみながら…
2009年12月13日 23:33 by progfanta
ここのところ、倉阪鬼一郎の小説や翻訳、南條竹則、西崎憲の翻訳ばかりを読んでいる毎日(つまりは翻訳怪談ばかり、というわけで す)を送っておりますが、怪談は恐ろしいですね。
最近思ったのですが、スティーヴン・キングなどを読むと、読んでいる間はそんなに怖いわけではないことが多いのですが、要は怖 いものが増えるのですね。エレヴェイターに閉じ込められたら、とか、飛行機が落ちたら、とか、気づいたら世界から人が消えていた ら、とか。
逆に怪談は、怖いものが増えるわけじゃないのだけれども、読んでいる間に怖い体験をできる、ということだったのですね。
でもやっぱり万人受けするのは、モダン・ホラーなんだろうな。たしかに、怪談のほうが「駄作」にあたる確率も高いけれども、傑 作にあたるともうモダン・ホラーなんて大したことねえってくらいの大変な傑作なんだよな。
ダーレスは傑作はもうオールタイム・ベスト級の傑作ですけれど、つまらんものはとことんつまらないことが多いですよね。いつか どっかの出版社がダーレス傑作集みたいなものを出してくれるといいんだけど。でも、いまの出版業界は大変なことになっているみた いですし、あんまりわがままなことは言えない。でも、奇想コレクションとかで出してくれたら最高なのにな。奇想コレクションから 、ボーモントやマシスンの傑作集出したら話題になって売れそうなのだけれど。
2010年03月01日 22:35 by qusumisave
>絆創膏さん
都市伝説、わたしも好きです。
そちらの話題もいろいろしてみたいですね。
>saveさん
オーガスト・ダーレスの「吹雪の夜」、読まれているのでは~。
わたしが持っているのは
青心社『怪奇幻想小説シリーズ ウィアード3』掲載のものです。
夜になったら、屋敷の西窓のカーテンを開けてはいけない。
そこから見える誰かに魅入られてしまうから。
それはメアリー叔母の妄想なのか
しかし、その吹雪の夜に怪異が起こる……ってやつです。
「雪だよ」ヘンリーがつぶやいた。
「雪だよ――きれいな手、とても小さくて、とてもかわいい――
あの人のきれいな手だよ――雪が、きれな雪が、
あの人のまわりで舞っているんだ…」
(大島令子・訳)
この作品もいい雰囲気出していますね~。
2009年12月25日 18:46 by progfanta
んー、冬をテーマにしたホラー(怪談/ファンタシー)は読んだことがありませんねえ……あっても忘れてる(笑)。
怪奇小説傑作選2はちょうど持っていないんですよねえ……1巻、3巻は持っているのですが。4巻、5巻はそんなに興味がないで す。基本的に英米の怪談が好きなので。
「テーブルを前にした死骸」、面白そうですね。機会があれば2巻も購入したいものです。
「猿の手」は個人的に平井呈一氏の翻訳より、倉阪鬼一郎さんの翻訳の方が好きですね。平井呈一「猿の手」のテクストが欠落版で あるというのも、理由のひとつですが、現代に生きるわたしたちにしてみれば、倉阪鬼一郎さんの翻訳の方がいいみたいです。欠落部 分は倉阪鬼一郎訳で読んだのですが、あの部分は欠落してはいけない部分のような気がします。
と、冬が舞台の怪談をひとつも思いつくことのなかったsaveでしたー。
2009年12月24日 18:52 by qusumisave
そう思うとあちらの怪談は都市伝説に近いんですね・・・。
自分は都市伝説が好きなのですが以外にも欧州らへんの怪談も好みに合いそうです^^*
今度色々読んでみますw
もちろんテーブルを前にした死骸も^^
絆創膏さん 早速の書き込みありがとうございます
怪談話というのは世界中にありますが
やはりそこここの文化の違いもあって面白いですね
私は夏になると日本の実話系怪談などで涼をとり
秋冬は欧米の怪奇小説を堪能するというパターンです
が ここ最近はなぜか朱川湊人や辻村深月を読んでます
「都市伝説」テーマというのに惹かれてしまいました
どちらもなかなかいい短編集です
残念ながら 冬! って感じるエピソードはないのですが
2009年12月20日 23:51 by progfanta
日本では怪談というと、「暑さを忘れる」と言うのが原点ですね。
ところが欧州では季節も違うらしいので意味は違うみたいです。
話の内容も、日本では幽霊・妖怪が王道ですが
欧州では、モンスター・殺人鬼と、少し現実味がありますね。
自分的には現実味がありそうな欧州の方が好み(?)ですが、
人々が求めた怖さ・恐ろしさは一緒だとおもいます^^
あまり詳しくはないですが^^;今度見てみます。
トピックと関係なくてごめんなさい><;
冬を舞台にした怪談で私が思いつくのは、
S・H・アダムズの
「テーブルを前にした死骸」です。
吹雪のために山上の山小屋に閉じ込められてしまった
チャールズとスティーヴンという二人の測量技師の話。
二人は電信機を使ってモールス信号で救援を求めるが、
やがてチャールズが肺炎を患ってしまう。
チャールズは言う。
「おれが死にきったと確信するまで埋葬しないでくれよ。
仮死ということもあるからな」
そして、チャールズは死んでしまう。
その死を確認したスティーヴンは彼を埋葬するのだが…
これは、ヒッチコックもアンソロジーに選び、
TV「世にも奇妙な物語」でも取り上げられた古典的怪奇短編。
小学校の頃の私は、この話と
「猿の手」「信号手」が、一番怖くて好きな三大怪談でした。
『怪奇小説傑作選2 英米編Ⅱ』(創元推理文庫)収録。
2009年12月14日 00:06 by progfanta
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