【2】リレー小説１
【リレー１】（2007年12月30日募集分）
タイトル未定 ※完結後、メンバー内で決めましょう♪
【メンバー】
?出刃さん→?梅もなかさん→?史間→?らんららさん→?出刃さん→?梅もなかさん→?史間→?らんららさん
【あらすじ】
ゲームソフト制作会社に勤める、私こと浜崎京子。
給湯室に入り浸り、時々お菓子をつまみ食い。プレゼン全敗の私だったが、入社2年目、再びチャンスが訪れた。
金券堂の人気製品『まな板フィットネス』、もしくはヌンチャク型ハードの対応ソフトを提案することになったのだ。
決戦は明日。
私はとりあえずの企画書を手に、秘めた「とっておき」のプランを胸に、会議室へと向かう――
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第８話 ４
――― 二ヵ月後。
「あ、京子さん、やっぱりここだ」
給湯室に三島が顔を出すいつもの様子を想像し、私は「んー」と生返事。
いい色。
開発利益二億円以上の契約に使う、取って置きの茶葉【鳳凰】がゆっくりと翼を広げ、本来の色を見せる。今日こそは役目を果た す。
「結局さ、ここが落ち着くんだよね」
「ふうん、じっと急須を睨んでいるからどうかしちゃったかと思いました」
って、いつから見てたんだ、この子。
「あのね、お茶の香りでリラックスすると創作妄想が働くわけ」
「はいはい。チーフが探していますよ。各部門皆さんおそろいですし。京子さん主役なんだから、お茶は私が…」
「よし！」
「へ？」
「このタイミングが美味しいのよ！分かる？わかんないだろうけど。あ、チーフにはこれね」
てきぱきと鳳凰を温めた湯飲みに注ぎ分け、冷蔵庫から取り出したペットボトルの冷茶をチーフの湯飲みに注ぐ。
「コストパフォーマンスにおいて最高のお茶。チーフは冷たい飲み物が好きなわけだし」
「あれ？京子さんいつの間にかチーフの好みを熟知ですか」
「キャラにあったアイテム購入は初歩だよ、三島。あんたのスキルアップに購入しなきゃならないアイテムあたしがいくつ言える と思う？」
「怖いな、それ。京子さん、恋愛にもそのスキル、使わないと」
「もちろん」
恋愛は現在、果てしなくレベルアップ中だ。
いや恋愛だけじゃない。
私の【スペースバランサー（仮）】は各製作部の協力を得てわが社の商品【スペースウィング＝太陽風に乗れ=】として想像以上 のレベルアップを果たした。
私はお茶を乗せたトレーを捧げ持つ。
会議室で金券堂の社長が待っている。
「じゃ、行こうか」
了
2008年06月08日 17:36 by らんらら
第８話 ３
結局、四人でビールから焼酎、店を替えて最後はゲーセン。
岡本さんの営業販売の裏話、島田チーフがアーケード用ソフトの利益率について語り、家庭用との違いで盛り上がる。
結局四人とも、ゲーマー以上にゲームを愛しているのだ。
「なんだ、浜崎、お前いい顔してるじゃないか、イケメンだ」
「島田チーフ、それ微妙です」
「なあ、岡本、浜崎京子はイケメンだな」
酔ってるのか。
「島田さんは【いい面構え】のことを言ってるんだよ。確かに、ゲームを語る京子ちゃんは凛々しいよね」
「それは、やっぱり。お茶汲んでるだけじゃつまらないですから」
「でも、京子ちゃんのお茶はいつも美味しいよ。本当に、毎日飲みたい」
「それ、プロポーズじゃないですか、岡本さん」と三島の突っ込み。
「じゃあ、いつか本番に取っておくか」
ほ。
本番？
冗談とも本気ともつかない素敵笑顔で悩殺されかける。
「おい、その前に浜崎。やらなきゃならない本番が待ってるからな」
島田チーフの声で現実に戻る。
【スペースバランサー（仮）】とチーフの【海でぴちぴち（仮）】。
来週には映像製作、キャラクター製作の各部門からのデザイン案が上がってくる。同時にゲームプランニングの打ち合わせ。企画 が形になっていくのだ。
「はい！負けませんから！」
「よし、イケメンだ。これから企画部の本当の面白さが分かるんだ。味わえよ」
「はい！」
入社二年目。
これまでのスキルはお茶の味にしか発揮できなかった。
それも、今日まで。
タクシーを降りるといつもどおりにマンションの郵便受けをのぞく。昨日と同じ部屋が待っていると思うと小さく首を横に振った 。昨日と同じじゃない。
よし。帰ったらまず、掃除だ。見上げた街灯に誓いを立てた。
2008年06月08日 17:34 by らんらら
第８話 ２
「飲みに行くなら誘えと言っただろう」
言いましたか、そんなこと？
三島はどうやら困っている。
ははあ、三島ちゃん、そういうこと。三島のDカップに収めて忘れる予定だったわけだ。
島田チーフはずうずうしくも三島の隣へと腰を落ち着けた。
しょうがないな。
「すみません、私がデザインのことで三島に相談を持ちかけたんです」
「浜崎、お前もうそっちか。気が早いな」
島田チーフはお絞りで顔を拭き、そのまま首の後ろに当てた。それ、私のお絞りですが、とは言わず。
「早いですよ、プレゼン通ったの初めてですからね！気合は十分です」
「若いな〜」
店員が島田にお冷とお絞りを持ってきた。
「あ、あと一人来るから、頼むね」
はい、と無愛想な学生バイトの後姿を島田はじっくり眺めている。
「いいね。若い」
三島と私は目を合わせ苦笑い。
「ま、とりあえず、よくやったと褒めてやる。ここはおごりだ。好きなもん食べろ」
「あの、あと一人って」
「岡本。決まってるだろ？俺が俺以上のイケメンつれてくるわけない。がっかりか」
「いえ」突っ込みどころ満載で困ってしまう。だいたいイケメンの定義を知っているか怪しい。
2008年06月08日 17:33 by らんらら
第８話 １
その日、私と三島はいつもの居酒屋で祝杯をあげた。
「これもあんたおかげ。ほら、好きなだけ梅キュウ頼んでいいよ」
「じゃあ、特上ホルモン」
「梅キュウって言わなかった！？」
「今日はホルモンな気分なんです」
と両手を胸の前で組んで目を潤ませてみせる。だから、どこで覚えたんだ、それ。
「実力のある上司は有能な部下への投資を惜しまないものですよ、京子サン」
「投資なら私だってして欲しい！……って」
投資家が一人いた。わが社にも。我が部署にも。
「島田チーフのこと考えてました？今日は接待じゃないですか？」
三島がつれないから、とりあえず突き出しの切り干し大根をつつく。
「三島の笑顔と声なら来るかも」
「だから、嫌ですってばそれ」
ケータイのアドレスをちらちらとのぞいて、迷う。今回は確かに助けてもらったし、同志ではあった。プレゼンの席での投資を惜 しまない発言は効いた。……でも。
「こら、浜崎と三島」
「うはっ！」
と思わず切り干し大根吐き出しかけた。
振り返れば奴、島田チーフがお決まりの腰に手を当てたポーズだ。
何故、ここにいる？
って、行きつけだった？
2008年06月08日 17:31 by らんらら
第7話−2
「それから、1ステージ終了ごとにカロリー表示もして」
これは三島の意見だ。
「公式サイトで入手したパスワードでレアアイテムが装備できるようにします」
そしてこれは岡本さんの提案。彼は頭の中身もイケメンだ。
今なら分かる。
女が社会で息を続けていくには、一人で頑張ることが大事だ。でも時には周りに目を向けて、その流れに乗ることも必要なのだ 。
もう『スペースバランサー（仮）』は、私だけの企画じゃない。
……訂正。私の手柄8割くらいは主張しておこう。うん。
「ちょっとちょっと浜崎君！」
企画部長が顔を青くして遮った。
「予算というものがあるだろう。我が社の企画部員として、いや社会人としてクライアントの条件を無視するなど、あり得ん」
「社員の能力と可能性を活かせない条件ばかりじゃ、つまらないですよ部長」
チーフが腹をさすりながら白々しく言い放つ。援護してくれているんだわ。
「それに、御社は、いい物にはそれなりの投資をしていただけると信じています」
場の空気が一瞬停滞した。
だれもが息をのみ、金券堂の社長を凝視している。
「社長」
「……分かった」
日本茶を飲み終えた上司に、開発室長が緊張して促した。
「島田君、それに……浜崎君。それぞれの企画について、具体的なデザインサンプルを起こしなさい」
「二つともですか？」
部長が驚いて声をあげる。
「構わん。提案費用は上乗せしよう。それとも、貴社には二組もデザインチームを組む余裕がないのかね？」
「いいえ。そこは、問題ではありません。でも……」
「では、時間はあまりないがよろしく頼むよ。私はここで飲む茶が好きなんだ」
私は島田チーフを見る。チーフはにやりと笑ってみせた。これで、第一段階は決着ということだろうか。
でも、この先も負けられない。
こんなに楽しい、やりがいのある企画に参加できたこと、後悔したくない。
そう、思えた。
第7話−１
かつて偉人何某は言ったとか。
とりあえず見た目の体裁を整えろ、と。
プレゼン達人なる者の格言だそうだ。真実はどうであれ、島田チーフのアドバイスを聞き入れ、完全武装。短め丈のテーラード ジャケットに白の台形スカートで、メイクもナチュラルに見えるように。
会議室には、前回とまったく同じ面々が鎮座している。
だが、状況は100％変化していた。
三島に伝授した各種日本茶はスタンバイ済みだし、チーフは和三盆饅頭を事前に買ってきてくれていた。二人とも二日酔い仲間 なのに。
そう。
この戦場は対社内から対社外へ、金券堂を攻略するためのステージへと変貌を遂げたのだ。
口に含んでいたミントのタブレットが完全に消える。大きく息を吸うと、喉の中で空気が清々しい。
私は潤滑油を注されたサイボーグのように雄弁になった。
主人公がサイボーグを武装して戦うこと。キャラに痛みなど良心に訴える表現を持たせ、昨今の殺伐とした世相にも配慮するこ と。
金券堂社長以下、三人の顔が同時に頷く。三島がにっこり笑いかけ、チーフが苦笑で返した。まだ、失恋を少し引きずってるみ たいね。
そして。
「キャラの武装についてですが、アバターを使いたいと思います」
「浜崎君、それは」
六つの目が丸くなった。
ええ、分かってるわ。
「少なくとも200種以上のパーツを用意する必要があるでしょう。開発費も多めになってしまいます。けれど、『まな板フィッ トネス』だって似顔絵機能がついていますよね？ 他のスポーツ系のゲームだって。それを応用すれば難しくはないはずです」
これは、島田チーフの意見。
「たしかに、言われてみれば」
ソフト開発会社が違うからといって、同じハードに出し渋りしていては進歩しない。
梅きゅうを食べながらチーフは言った。グラビアアイドルゲームも、バランス機能を共有させることが目的だったと知った。
チーフには、やっぱりチーフたる所以があったのだと思い知らされた。
第６話 ２
「こら、浜崎と三島。今日は会社サボって何してたんだ？。」
背後から声をかけられてぞっとした。
「あのう・・・。」
三島が居心地悪そうにジョッキをテーブルに置き、両手をひざに置いてうつむいている。
背後に島田が立っている。見えないけど、多分怒った顔をしている。
「ケータイにかけても出ないし。どこにいたんだ、お前らは。」
何だか、学校をサボって遊んでいるところを補導員に補導された気分だ。
さあ・・・どう言い訳しよう。
「明日のプレゼンの話をしてたら、何だか話が弾んじゃって〜。えへへ。」
笑ってごまかしてみた。
三島を見ると、私に倣ったのか三島も笑ってごまかしている。
舌をちろっと出して、首をかわいらしくかしげて。
「あ、うん、そうなの？。遊んでたわけじゃないなら、まあいいか。」
とたんに島田の様子が変わった。
そうだ・・・・この男、三島に気があったのだ・・・・。
「島田さん。」
席に戻ってこない島田を探して、岡本さんもやってきた。
目が合って、ドキッとする。
二股かけられていると知って諦めようと思ったけど、こうやって会うとやっぱり好きかも・・・。
「あああ〜〜〜〜、そうだ。ほら、昨日４人で飲もうって言ってたじゃないですか。もうこのまま一緒に飲んじゃいません？。」
「いいの？。」と岡本さん。
「そうだなあ、プレゼンの話も聞きたいし。」と、島田はさっさと三島の隣に腰掛ける。
そして、岡本さんは私の隣に。
頭が痛い。
昨日の晩、結局４人で４時間飲みっぱなしだったのだ。
三島は島田に、ハッキリと（酔った勢いだったけど）「妻子持ちとはお付き合いできません」と伝えた。
無断欠勤の事も怒られなかったし、プレゼンの事も相談に乗ってもらえた。
昨日三島と話をしていた時よりも、自分の作りたいゲームのイメージがハッキリと見えてきた。
認めたくないけど、島田に相談に乗ってもらったからだ。
流行ばかり追っかけている独創性の無い親父だと思っていたけど・・・・・頼りになるんだ。
私は二日酔いの頭を抱えて、でもおとといよりはもっとしっかりした足取りで会議室のドアをくぐった。
2008年05月10日 21:28 by 梅もなか
第６話 １
三島をお供に連れて行った居酒屋で、「とりあえず」ビール。
つまみにから揚げと梅キュウを注文すると、話は再び明日のプレゼンの話に戻った。
「で、飲んでていいの？。時間無いけど、明日用に資料作っといた方がいいんじゃない？。」
三島がジョッキの中の泡を舐めながら言った。
「うん、二人でやれば明日までにできるでしょ。」
「あれっ！。二人で！？。ねえ、ひょっとしてアタシに資料作り手伝わせるおつもりですか？。」
「そうだけど。」
悪びれずに答えてやると、三島は盛大にため息をついた。
そんな三島を尻目に、「つまみはまだか〜。」と店の奥にある厨房に目をやった瞬間・・・・・・
「ぶごっっ！！」
思わずビールを吹き出した。
奥のテーブルに座ってビールジョッキをあおっている男二人・・・・・・。
今一番会いたくない人達だ。
「三島・・・・梅キュウ食べたらすぐ出よう・・・！。」
「え？、なんで？。」
「島田と岡本さんがいる・・・・。」
うそ！？と三島は店の奥を覗こうとする。
「バカ、気づかれたらまずいよ！。私たち今日は無断欠勤してんだよ？。」
「誰のせいよ、だいたい注文したの梅キュウだけじゃないよ。から揚げに焼きおにぎりと、あとお好み焼きと大根サラダも頼んじ ゃったもん。食べずに出たらもったいないよ。」
なにっ！？
「あんた、いつのまにそんなに注文したの・・・・！。」
「あ。」
「あ。じゃないよ！。今なら間に合う。注文を撤回するんだ！。」
2008年05月10日 20:13 by 梅もなか
第５話?
そんなもんかなあ。まあ、少なくとも政治家や犯罪の
質は落ちて近寄り難いものでなくなったとは思う。
「だから共感呼びやすいと思うんだよ。主人公は理由
もなくグレて、家族同然のサイボーグを武装して駆り
出す。そして手当たり次第に何でも襲う」
「それはそれで規制の対象になりそうな・・・・・・」
「まあ、そうかも。でもこのゲームはそういった行為
のストッパーとしての役割を自機が果たすの。特定の
善良なキャラを撃とうとすると『やめて下さい。お願
いです』みたいなこと言って。それでもボタン連打で
無理やり撃つと『うう・・・』とかいうの」
なるほど。良心の呵責という奴だな。確かにそういう
のいれておくとお堅い連中からの反発も和らぎそうだ。
オタの人たちの議論呼んで盛り上がったりとか。オタっ
て意味ないことに意味付けたりする時あるから。
「うんうん、いいんじゃないか？あと一点クリアすれ
ば」
「何？」
「尻尾にしがみついてる宇宙ギャングってなんかヘタ
レぽくないか？」
「いきがってるだけのヘタレな設定でもいいし、二股
にしてハンドルぽくしてもいいんじゃない？」
それもそうか。と大体案がまとまった時には日は既に
とっぷりと暮れ、もう出社なんかどこへやらだ。取り敢
えず今日は出社の事を記憶から消して三島と乾杯しに行
く事にした。今日はがっつり飲んで、明日はいくぜ！！
プレゼン！！とイラスト通りにポーズを決めておいた。
三島はそっぽを向きながらおいーと一応言ってくれた。
2008年04月20日 17:10 by 出刃
第５話?
「主人公いくら魅力的でも結局宇宙船に乗って戦う
訳だから被弾しても彼か彼女は痛くも痒くもない訳
でしょ？緊張感でないし、主人公に対しても他人事
みたいな感情しかもてないよきっと」
成る程、三島の言いたい事は大体分かった。しかし、
痛みをリアルに表現したりするのは・・・・・・・・。
「色々規制に引っ掛かるかも、じゃない？」
また読まれてしまった。
「だから、自機を生き物ぽくすればいいと思う。そ
の方が感情移入しやすくない？」
「それでも規制の問題はクリア出来ないぞ、三島。
結局傷つけばそいつが血を流すわけだし」
「ロボットにすれば問題ないよ。サイボーグ」
成る程、それなら被弾したときに痛そうな表情とか
もさせられるし流血や臓器の破損とかいった問題もクリ
ア出来る。でもサイボーグだからって目や口から弾やら
ビームが出るっていうのはなあ・・・・・・・。
「購買層をロボットアニメ世代に絞ればついて来る
んじゃない？」
まあなあ・・・・・・・。キャラに関してはそれで
いいかな？あとはストーリーだけど・・・・・・。
「主人公はグレた宇宙ギャング。ってのは？」
私が考える前に三島が思いついてくれた。
「そんなキレる若者みたいに・・・・・・」
「でも今の時代って、全体的に昔いた尾崎豊の頃の時
代に先祖帰りしてない？何か不満だ。でもそれが何か
分からない。だからとりあえず手近なものを攻撃する
。政治家だったり犯罪者だったり」
「手近か？それ」
「ネットがこれだけ普及したらそうなんじゃない？最
近・・・・でもないけどニュースにコメントつけられ
るし」
2008年04月20日 17:08 by 出刃
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