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意味不明なお題

――だったらいろんなトピックを。の第2弾

意味不明なお題で話を作ろう、と。
某巨大掲示板の文芸板にもありますが。

お題は
「進化を遂げた花嫁」
「ノーベル殺人賞」
「不死の人間の遺書」
「悪そうな奴は大体友達以上恋人未満」
「暁に消えし甘納豆」

言葉をそのまま使わなくても、モチーフとして採用されていればOKです。
冒頭にはどのお題を使用したか書いてください。

お気軽にご参加ください。

2008年06月16日 02:07  by そこでねこが

コメント一覧 10件中、1~10件表示

  • 曾じいちゃんがまだ生きてるというオチを読み取っていただけて嬉しいです。
    「オチは仄めかしで抑えておいたほうがかっこいい」という悪い思い込みで、「さあ、曾じいちゃんの家に着いたぞ」とか「曾じ いちゃんに、好物の甘納豆を…」とか書かずにいましたので。

    「(未だ)不死の人間の遺書」の件については…そそ、そのとおり、私自身にも隠された私の意図を読み取っていただけてさらに 嬉しいです。


    コミュが休眠してると思い込んでいまして、久しぶりに見たところねこがさんがトピ立ててる。
    「起承転結」はストレートな発想で書きましたが、こっちはねこがさん自身「きつねの嫁入り」を「花嫁」にして、しかもそのこ とにはっきり言及しない作品を上げている。
    これはあえて、不通に「ひねる」よりも、ひねってくるしかない題材で「ひねった感の無い」作品を作って対抗しようと思いまし た(笑)。

    参加してた他コミュで、展開に期待してた長文リレー作文が立ち消えになり、仕事も立て込んでいたせいもあって、しばらく創作 /作文意欲が無くなってしまっていましたが、お蔭様で立ち直れそうです!

    2008年07月14日 11:39 by 石瀬醒

  • ○石瀬醒さん

    お題は一応意味不明から矛盾、歌詞のパロディなどいろいろそろえたのですが、その中でもばかばかしいものもと思って入れたお 題でこんなにまじめなのを書いてくるとは。

    砂糖が貴重品だった時代、曾曾ばあちゃんは必死の思いで甘納豆を作ったのでしょうね。

    自分は曾曾ナントカみたいに親等が遠い人物の頻出は頭がこんがりやすい人間なんですが、全然普通に読めました。
    語り手の父が常にユミの目線に立っているからでしょうか。

    しかし、曾じいちゃん、まだ生きてるとは元気ですね。
    郵便屋さんの渡した手紙がある意味不死(死ナズ)の人の遺書だったりと思うのは考えすぎ?

    2008年07月11日 23:59 by そこでねこが

  • 暁に消えし甘納豆

    2
    お母さんは、目の前が真っ白になって玄関に倒れ、そのまま気を失ってしまったそうだよ。
    翌朝、早くに起きたお母さんが、せめて昨日の甘納豆を一家のお墓に供えようと卓袱台を見にいくと、甘納豆は一粒残らず消えて 、ただざるだけが残ってたそうだ。
    じいちゃんやばあちゃんや、家に居た者は誰も食べていないと言い、皆「昨日の夜まではちゃんと有った」と口を揃えたんだと。

     「曾じいちゃん、死んじゃったの?それで、お家に甘納豆食べに戻ってきたの?」
     ユミが泣きながら私に聞いた。
     「曾じいちゃんが17で死んでたら、父ちゃんもユミも居ないじゃないか」
     私は笑いながら応えた。

     その日、海軍駐屯所は敵の爆撃を受けたのだった。
    サトルはその隙に駐屯所を逃げ出し、夜になるまで山に隠れていた。
    訓練中の身とはいえ、軍からの脱走は重罪なので、サトルは暗くなるのを待って、実家の床下に逃げ込んだ。
    明け方に、ひもじくなって家に忍び入り、好物の甘納豆を平らげたのはサトルだったのだ。

     「良かった。でも、脱走して曾じいちゃん刑務所に入れられたの?」
     涙を拭ったユミが聞く。
     「大丈夫だったよ、家族以外に見つかる前に、戦争は終わっちゃったんだ」
     「良かった」
     繰り返しユミが言う。
     私は、古い農家造りの家の前に車を停めた。
     「さあ、着いたぞ、好物の甘納豆を渡しに行こう」

    2008年07月11日 12:56 by 石瀬醒

  • 暁に消えし甘納豆

    1
     父さんが子供の頃に、もう死んじゃった、ユミの曾曾ばあちゃんによく聞かされた話だ。
    ユミの生まれるずっとずっと前に、この国は戦争をしてね。
    始めのうちは勝ってたんだけど、段々負けそうになってきたんだ。
    ユミの曾じいちゃんは、サトルっていう名前なんだけど、その頃まだ17歳の学生だった。
    でも、戦争が長引いて兵隊さんが足りなくなってきたんで、軍隊に入れられたんだ。
    ほら、この前海水浴に行った三田ヶ崎、あの辺りにあった海軍駐屯所に住まわされて、戦争の訓練を受けるようになったんだ。
    曾曾ばあちゃん、つまり、サトルの母さんは随分心配してね。
    好きだった甘納豆を、苦労して手に入れた小豆でこしらえて、駐屯所の面会日に届けてやろうと思った。
    というのも、戦争が激しくなって物が無くなってしまったので、近所のお菓子屋さんはみんな店を畳んでしい、もう何年もサトル は甘納豆を食べてなかったからなんだ。
    その日、上手にできた甘納豆を、ざるから包みに移そうとしたとき、郵便屋さんが手紙を届けに来た。
    お母さんが甘納豆のざるを卓袱台に置いたまま受け取りに出ると、手紙の差出人は駐屯地に居るサトルになっていた。
    お母さんは、悪い予感を覚えながら、恐る恐る手紙を開いた。

     何月何日、僕は、特攻に出撃します。
    もう会えないかも知れませんが、お母さん、どうか泣かないでください。
    これといって惜しむ事の無い人生でしたが、最後にもう一度、おいしい甘納豆が食べたかった。
    そればかりが少し不服です。

    手紙にはそんな風に書かれていた。
    その何月何日というのが、その日だったんだ。

    2008年07月11日 12:47 by 石瀬醒

  • ○さまさん

    日々を夢遊病のように生き、生と死の輪郭が曖昧になった現代だからこそ、彼女がすでにスケッチブックを渡してしまった意味は 大きいと思います。

    2008年07月01日 23:30 by そこでねこが

  • 「不死の人間の遺書」

    壁から床まで真っ白な部屋。真ん中に置いてあるベッドに、女の子が横たわっている。
    「私は死なないから」
    酸素マスク越しの口がそう言ってる気がした。
    「本当?」僕がそう尋ねると彼女は涙を一粒零して頷いた。
    そして側に置いてあったスケッチブックを僕に渡して「あげる」と口を動かす。
    僕はそれを受け取り部屋を出た。薬品のにおいが気持ち悪かった。
    スケッチブックの中は、まだ見れない。
    彼女はまだ生きてるから。

    2008年06月29日 14:24 by

  • 『進化を遂げた花嫁』


    「あれ、雨降ってる?」
    私は急いで洗濯物を取り込んだ。
    「今日快晴の日だったわよね。天気変更された?」
    「そういえば今朝急に更新されてた。でも日光はあんまり減らせないからお天気雨にしたみたい。」
    旦那は携帯ゲームから顔もあげずに答えた。

    21XX年、人類は人口降雨装置を開発し、国連傘下の水資源管理委員会が世界中の雨をコントロールするようになった。
    これにより必要な地域に必要な分だけ雨を降らせることが可能になった。
    それは食糧の安定的な収穫を約束し、大雨・洪水という天災を過去の遺物に追いやった。

    天気予報という言葉も辞書から消え、その代わり政府から天気のスケジュール表が毎月配信される。
    私たちはそれを見て洗濯物を干したりレジャーの予定を立てればいいようになった。

    間違ってはいけないのが雨をいくらでも降らせることができるのではなく、地球上にある限られた水を任意の計画に基づいて配分 しているだけなのである。
    ただし、水資源管理委員会により一元的に。

    人間の都合でいきなり嫁入りに出されてしまったキツネは今どんな気持ちなのだろうか。
    私はイヤな予感がした。
    「ねえ、てことは今降ってる雨はどこか別の場所に降らせる予定だったのよね。」
    旦那はゲームに夢中で返事もしない。
    テレビでアナウンサーがニュースが読み出した。
    「昨日入ったニュースを繰り返します。現在独裁政権下に置かれているQ共和国ですが、軍備の完全放棄および人権状況の改善が 未だ見られないため、国連は降雨制裁措置をさらに半年延期することを決定しました。」
    テレビに映し出されたQ共和国は大地がひび割れ木々が枯れ、人々が飢えて死にかけていた。
    彼らはもう1年近く雨を見ていないはずだ。
    ぬれた洗濯物がいっそう重たく感じられた。

    物理法則に従えば水は高いところから低いところへ流れる。
    だが、今は違う。
    善人のもとにのみ流れてくるのだ。
    ひとたび悪徳とみなされれば恵みの雨という恩寵はいただけない。

    今日も降雨装置が私達を優しく見下ろしている。

    2008年06月23日 23:05 by そこでねこが

  • ○ゆーきさん
    なんとも淋しい、ゴシックホラーのような雰囲気があります。

    夜目が利くってのがまた人外の者っぽい感じ。

    メッセージを伝えるための遺書をしたためているというよりも、死ねないからこそ死をはらむ人間の真似事をしてしまうのでしょ うね。
    自分的には彼は一生死ねないでいてほしいと思いますです。

    2008年06月21日 23:30 by そこでねこが

  • 「不死の人間の遺書」を使わせていただきますです。


    とある夜。

    僕は眼下に広がる海原を眺めながら、深くイスに腰掛けた。
    家のベランダからは綺麗な海が一面に見渡せる。僕はその光景が気に入ってここに家を建てた。
    僕の手にはノートとペン。今日もほとんど日課となりつつある遺書を書こうとしていた。
    月明かりだけでも、夜目の利く僕なら文字くらいは書けた。

    僕は不死、死ぬことの出来ない人間だ。
    なぜそうなったのかはわからないけど、ある日突然、僕は僕がそうであることを理解した。
    そんな僕がなぜ遺書を書くことを日課としているかというと、楽しみだからだ。
    死ぬことが楽しみでたまらない。いつ死ぬのか、いつ僕は不死でなくなるのか。
    そうなる日を心待ちにして、僕は毎日遺書を書いていた。

    僕が死ぬ日まで、僕はこの海が見えるベランダで毎日遺書を書き続けるだろう。

    2008年06月21日 22:30 by いつき

  • お題を増やしてトピックのタイトル名も変えました。

    お騒がせしました。

    2008年06月18日 00:42 by そこでねこが