【技術】描写の練習をしよう【向上】
描写の練習をするトピです。
お題を出して、それぞれの書き方で同じシーンを描写します。
そしてお互いにアドバイスし合います。
目的は描写力の向上。
描写を制するものは、小説を制します。
ストーリーが滅茶苦茶でも、描写がしっかりしていれば、
物語は成立します。
■ルール
一人称や三人称などのスタイルは自由。
登場人物の年齢や性別なども自由です。
分量は1レスで収まる程度にお願いします。
初回のお題は「朝食」です。
2012年03月16日 09:31 by ひつじ さいせい
りんさん。
喫茶店の風景つたわってきましたよ。
おいしそうに朝食を楽しむ女性の姿が見えました。
ただ主人公だけでなく、他のお客も書いていれば
風景により広がりがあったかもしれません。
字数の関係であえて書かなかったのなら、ごめんなさい。
とにかく作品の全体的に穏やかなトーンがすごく良かったです。
ああいう文章は好きです。
あとアドバイスありがとうございます。
やっぱり主人公が幼く感じましたか。
後半はオチをつけようと思い、かなり強引に書きました。
年齢に見合う行動を心がけて書かないといけないですね。
>その手前で止めておいた方が、締まった
こういう考え方は全く意識してませんでした。
いわれてみれば、蛇足になっていますね。
ある作家は、300枚の小説を書くのに1000枚書くと言っていました。
余分なものを消すのも重要な作業なんだな、と改めて気づかされました。
とても参考になりました。ありがとうございます。
2012年03月18日 17:30 by ひつじ さいせい
ひつじさん。
1000字と言うのは、難しいですね。
でも、分量を決めて書くと言うことは、とても勉強になると思います。
難しいけど、分量はこのままで行きましょう。
早速のアドバイス、ありがとうございます。
>状況を瞬時に伝える
>ストローの取り出し方ひとつで、人物の性格が決まる
不覚ながら、まったく無意識でした。
今回は、わたしの朝の喫茶店風景を目に見えるように描写すること、
を意識して書きました。
わたしは、愛嬌があるかどうかわかりませんが、確かに小さなことに
幸せを感じるタイプです。
読み取っていただいて、逆にこちらが気づかされました。
ありがとうございます。
>ひとつの文章に動作動詞が2つ含まれていて、スムーズに状況を
つかみにくくなっています。
おっしゃる通りで、他の部分にも反省すべき点があると
思いました。これ、わたしの癖かもしれません。
二つの文に分けるべきところを、つなげたがると言うのは。
分かりやすい文章をめざしたいと思っているのですが。
それでは、ひつじさんのおはなし、感想を述べさせていただきますね。
まず、家の中の様子が目に見えるようだと思いました。
これは、とても大事なことだと思います。さすがですね。
それから、ミキちゃんの「騒々しい一日の始まり」が、ミキちゃんの
行動でよく分かります。続きを読みたいと思わせる、描写ですね。
もうひとつ、思ったのは、
「その日ミキは、朝食を食べないで学校に行った。」は要らなかったかな、
ということ。その手前で止めておいた方が、締まったかな、と思いました。
でも、これは、描写の練習とは、関係ないことですね。
欲を言えば、ミキちゃんの年齢のことです。
途中で、あれ、高校生だったかな、と思ってしまいました。
でも、高校の時の先輩に勧められたグレープジュース、なのだから、
どうしても、大学生ですよね。
ただ、
「ミキは絶叫した。言葉にならない声をあげた。
~ミキは癇癪をおこして、ずっと叫んでいる。」
と言う同じような経験が思春期のわたし自身に覚えがあるもので、
大学生だと、ちょっと、幼いかな、と。
でも、これも、エキセントリックなミキちゃんの描写が、
よくできている証左だとも思いましたけれども。
わたし、文章の批評などしたことなくて、
的外れだったら、ごめんなさい。
また、よろしくお願いします。
2012年03月17日 21:37 by 瀬部 りん
書いてみた感想
やはり1000字でまとめるのに苦労しました。
意識したのは、比喩を排して書くことです。
簡潔な描写だけでどれだけ個性を出せるか試しました。
2012年03月17日 03:48 by ひつじ さいせい
ミキは冷蔵庫を開けて、グレープジュースを取り出す。ワイン用品種を使っているもので、酸味が強い。ミキのお気に入りだ。高校の とき好きだった先輩が勧めてくれた。それ以来、大学生になった今でも変わらず飲み続けている。
お気に入りのジュースをお気に入りのコップで飲む。朝起きるとミキは、必ずこれを行った。日課というより儀式に近かった。こだ わりと習慣が人間を作る、とミキは口癖のように言う。そのくせ頻繁に髪型を変える。現在はニュートラルなボブスタイルだ。もっと も寝起きである今は、後頭部の毛がはね上がっていて、なんとも言えない髪型だった。
髪をぼさばさにしたまま、戸棚にあるはずのコップを探す。ないなあ。どこにいったんだろう。いつもの場所に、コップはなかった 。
「わたしのコップ知らない?」ミキはとなりで食器を洗っていた母に訊く。
「知らないよ。何でもいいじゃない。ミキは変なところにこだわるんだから」母は面倒そうに答えた。「早くしないと、また遅刻す るよ」
「わかってるけど」
「ほら、これ使いなさい」母は洗ったばかりのコップを差し出した。
「あのコップじゃなきゃ嫌なの」ミキは受け取らないで、もう一度、戸棚を探した「どこにいったんだろう」
大学の費用だって馬鹿にならないんだから、と母の小言が聞こえる。もう少し真面目に勉強してもらわないと、お父さんを見習いな さい、ミキが起きる頃にはもう会社で働いているのよ、お父さんに感謝しなさい。
ミキは構わず戸棚の中を探した。それでも見つからなかったため、半ばあきらめてリビングのソファに深々と座った。どこにいった んだろう。ふとテーブルに目をやった。新聞が置きっぱなしになっている。父が家を出る前に読んだのだろう。
「あっ」ミキは思わず声をあげた。
「どうしたの、大声なんか出して」キッチンから母の声がする。
「わたしのコップ」ミキは新聞の横にあるコップを指した。コップには飲みかけのコーヒーが入っていた。コーヒーは家族の中で父 しか飲まない「絶対に使わないでって言ったのに」
ミキは絶叫した。言葉にならない声をあげた。それから、おもむろにコップをつかみ、そのまま壁に投げつけた。コップが割れ、ガ ラスの破片とコーヒーが飛び散る。母が何してるの、と怒鳴る。ミキは癇癪をおこして、ずっと叫んでいる。
騒々しい一日の始まりだった。その日ミキは、朝食を食べないで学校に行った。
2012年03月17日 03:28 by ひつじ さいせい
りんさん
的はずれなこと言ってたらごめんなさい。
一応アドバイスというか、感想を書きますね。
良かったところから。
まず冒頭を会話から始めることで、主人公とマスターの関係性がすぐにわかりました。ミルクが要らないとマスターが知っているこ とから、主人公はよく店に訪れていると推測できます。状況を瞬時に伝える能力は大切だと思います。
「袋を八つに折りたたみ、きゅっ、とねじる。成功――。毎朝の儀式。」や「きれいにむけたから、今日の運勢は吉。」という描写 は、主人公の性格を表すのに役立っている。小さなことに幸福を見出せる愛嬌のある女性という感じがしました。
たとえば、ストローの袋を勢いよく破っていたなら、男っぽい人、あるいはデリカシーのない人を表現できます。ストローの取り出 し方ひとつで、人物の性格が決まるのは、おもしろいですね。
次に、改善した方がいいな、と思う部分を書きます。
この文章について。「コーヒーの最後の一口を、音がしないように、そっとすすり上げ、手帳をしまう」
ひとつの文章に動作動詞が2つ含まれていて、スムーズに状況をつかみにくくなっています。こういう場合は2文に分けた方がいい かもしれません。あるいは「手帳をしまう」というあまり重要でない動作は、省いても問題ないかと思います。
参考になったかわかりませんが、以上がぼくの意見です。
2012年03月17日 02:01 by ひつじ さいせい
ちょっと。番外編。
思いついちゃったので。
月並みだけど、読んでください。
***************
『同じ夜に』
ねえ。起きてよ。
朝食、できたんだけど。
今日はねぇ。イギリス風だよ。
あくまで“風”だけどね。
だって、お豆、おいしくないんだもん。
ソーセージと、カリカリベーコンと、スクランブルエッグ。
トーストとマーマレイド。
ねえ。トースト、冷めちゃうじゃない。
返事のない彼に声をかけつつ、お茶をいれる。
二人分と、ポットの分。
そう、習ったわ。
沸かしたてのお湯で、葉っぱが踊るように……
ねえ。お茶、冷めちゃうよ。
いくら、猫舌のきみでも。
ねえ。わたし、昨日のワイン、飲んじゃうんだからね。
世界が回る。
ぐるぐる回る。
スローモーションで、床に倒れて、そして……
え……
なにこれ……あかい、あかい……
ブラックアウト――
☆
隣室には、既に固くなりつつある、男の亡骸。
床に転がった、コーヒーカップ。
爪を調べれば、彼女の皮膚片が引っかかっていることだろう。
同じ夜に、
同じ方法で。
女はコーヒーに。男は、ワインに……
2012年03月16日 22:48 by 瀬部 りん
感想。
りんの日常を書いてみました。
1000文字以内って、案外、難しい。
それと、前にもどこかに書いたけれども、
段落のつけ方。句読点の打ち方。難しいです。
さて。主人公の、性別・年齢は、いかがでしょう。
表現されているでしょうか。
自信ないなぁ。
どうぞ、アドバイスをお願いします。
2012年03月16日 21:10 by 瀬部 りん
「モーニングサービスとアイスのガムシロップ抜きでございます。ミルクは要らなかったですね」
「はい。ありがとう」
相変わらずかしこまっているマスターに、にっこりと笑顔を見せ、ちょっと、頭を下げる。
「どうぞ、ごゆっくり」と言って、マスターは、厨房へと戻って行った。
☆
わたしは、おもむろにお水を一口。そして、ストローを取り上げ、紙袋を切り取らないように、そっと、両端から中心へと袋を引 き寄せる。と、紙袋の両端から、ストローが現われるのだ。ストローをカップに差すと、袋を八つに折りたたみ、きゅっ、とねじる。
成功――。毎朝の儀式。心の中でにんまりすると、バタートーストをかじる。トーストは、冷めてはいけない。でき得る限り、焼 き立てのうちに食べ終わらなくては。今日のトーストは、バターたっぷりだった。この塗り方は、マスターだな。バイトくんだと、ち ょっと、足りないことがある。我ながら、あっと言う間にトーストをお腹におさめると、とりあえず、アイスコーヒーを二口。
次は、ゆで卵に取りかかる。テーブルで卵をコン、とたたいて、殻をむく。最初は細かく、次第に大きく。きれいにむけたから、 今日の運勢は吉。お塩を取り、振りかける。お尻から頭まで、まんべんなく五振り。すかさず、口へ入れる。黄身の位置を確かめなが ら、白身の部分は多めに。黄身は少しずつ。でないと、むせるじゃない?
お皿代わりの籐のかごに敷かれたペーパーに、ゆで卵の殻とストローの袋、四つにたたんで真ん中でひとつ結んだおしぼりの袋を まとめ、ペーパーの四隅を取って、ねじっておく。そして、また、お水を一口。
☆
さて――お塩を元に戻し、かごを向こうへ押しやると、コーヒーのカップを引き寄せる。ずずずっと三口飲み、バッグから手帳を 取り出した。アイスコーヒーを時々すすりながら、今日の予定の確認。うんうん、とうなずいてから、前髪をかき上げる。
コーヒーの最後の一口を、音がしないように、そっとすすり上げ、手帳をしまう。代わりに財布を出して、コーヒーチケットを一 枚、ぴりっ、と切り取り、お水を一口飲んで、立ち上がる。
「ごちそうさま」
厨房に声をかけ、レジに伝票とチケットを置くと、ドアを開ける。
――カランコロン。
「ありがとうございました」の声に、振り向いて、もう一度、ごちそうさまを言うと、わたしは、雑踏の中の人となる。
2012年03月16日 21:00 by 瀬部 りん
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