○○登場! というお題は如何でしょう
お話の最初でも最後でも、何かが印象的に登場するシーンがある事を条件に、後は自由に展開するという事でいかがですか?
今までのお題が素敵で、なかなか思いつかなかったのですが、時代劇のラストシーンで思いついたネタです。
2008年10月15日 23:52 by 浅葱 宵
ありがとうございます。
短くまとめたいにしても、あまりにも紋切り口調(等と言う言葉があったろうかw?)で、仕上げの甘い作品になってしまいまし たが、好意的に捉えて頂きうれしいです。
登場シーンを、というお題に対して、登場シーンを描写しない作品を上げてる時点でやや反則ですし。
「放置しない」と宣言していたわりに、ほったらかしにしていましたが、私もまたちゃんと書き始めます。(予定)
作品、お待ちしています!
2008年11月05日 23:38 by 石瀬醒
仕事が忙しくて、ちょっと足が遠退いていた間に、凄いお話がアップされていて驚きました。
とても深くて、切ないお話ですね。
みゆちゃんがもっと成長して、この出来事を理解できるようになったら……彼女は公園にお線香とお花でも供えに来るのでしょ うか。
少々ギャグ向けかな、と思ったお題で、こんなにも素敵な物語が作られるなんて、想像も付きませんでした。
私もそろそろ仕事が一段落するので、また何か思いついたら書きこませていただきます。
2008年11月04日 22:07 by 浅葱 宵
サンタさん登場!
1
みゆちゃんはサンタが大好きだった。
彼女にとってサンタクロースは一種のヒーローだった。
去年のクリスマスに、枕元に置いた手紙通りのプレゼントを貰って以来、彼女はサンタと文通していた。
枕元に手紙を置くと、必ず翌朝には返事の手紙がそこにあった。
一度など、お父さんに誤解から怒られたと愚痴を書いたら、翌日「サンタさんに注意されたよ」と、お父さんが謝ってきた。
また、手紙に書かないことでもサンタさんにはお見通しで、電子レンジを落として壊してしまった次の日に、「家具や機械の上 によじ登って遊んじゃいけないよ」と書かれたこともあった。
はじめのうち、みゆちゃんはサンタさんがトナカイに乗って自分を空から見ているのだと思い、よく空を見上げてその姿を探し ていたが、MI?をテレビで見て以来、サンタは普通の人に変装して自分を見守っているのだと考えるようになった。
ある日家族で買い物をしている最中、みゆちゃんが「サンタさん!」と叫んで何かを指差した。
驚いた両親が指の先を辿ると、路上で生活する老人の姿があった。
父親は無言でみゆちゃんを抱き上げ、足早にその場を去った。
「だって、着てる服は違ったけど、長いおヒゲですぐ分かったんだもの」
母親は、「サンタさんは、みんなに正体を知られたくないから変装をしているのよ、だから、気付いても言ってはいけないわ」と 諭した。
日曜日、家に置いてきたおもちゃを取りに一人友達と離れたみゆちゃんの後ろを尾ける男の姿が有った。
男は公園の外れでみゆちゃんに声をかけた。
みゆちゃんは抵抗し、男は力ずくで少女を攫おうとした。
以前にも一度少女を攫っている男は、子供の悲鳴が周囲の関心を引かないことをよく知っていた。
「キャー」という甲高い声は遊びの歓声と区別がつかないし、幼い子供は咄嗟に具体的な情報を伝えるのが苦手だ。
この少女もそうだった。
「サンタさん!サンタさーん!」
手を伸ばし、公園の一角を見つめて叫び続ける。
「お嬢ちゃん、サンタさんは来ないよ」
男は笑って少女の口を塞いだ。
2008年10月31日 23:37 by 石瀬醒
サンタさん登場!
2
翌日の新聞の第一報には、「ホームレスの老人、暴行され死亡」とだけ記されていた。
「サンタさんね、お兄ちゃんに殴られてたの」
みゆちゃんは、助けてくれたサンタさんを置いて一人逃げたことを今も気にしている様子だった。
「サンタさんは、みゆを助けて、悪いお兄さんを懲らしめて、北の国に帰って行ったってさ」
父さんが言った。
「そう、ならいいけど…」
みゆちゃんは、青いシートが無くなってきれいになった公園の一角を見つめて聞いた。
「また、帰ってくるかな、サンタさん」
「帰ってくるさ」
同じ場所を見ながら、お父さんが言った。
「みゆが良い子ならね、きっとサンタさんは帰ってくるさ」
2008年10月31日 23:37 by 石瀬醒
Copyright(c)1999 FC2, Inc. All Rights Reserved.
@fc2infoさんをフォロー